- 摂取カロリーが低すぎた代償
- 私が10か月で30kg痩せた方法
- 一定の条件下では問題のないダイエット
- ダイエット成功の裏で起きていた代謝の低下
- 無理な食事制限が過食を誘発
- 停滞期の正しい対処を知らなかった
- 「痩せたのに太っている」サルコペニア肥満
- 低カロリーダイエットが向いている時期・向いていない時期
- ダイエットは「一生続けられる習慣」を作ること
- 痩せることより、「燃える体」を作ること

摂取カロリーが低すぎた代償
私は10か月で30kgの減量に成功しました。成功だけを見れば「すごい」と言われますが、その裏には「代償」もありました。今回は、私がどのようにして体重を落とし、そしてなぜ停滞・リバウンド・代謝低下という壁に直面したのかをお話しします。
私が10か月で30kg痩せた方法
私は今まで以下のルールを守って、10か月で30kgのダイエットの成功しています。
◆食事
- 1日1200kcal以内の摂取カロリー
- 体重1kgに対してタンパク質を1g必ず摂取する
- 野菜を毎日350g以上摂取する
◆運動
- ウォーキング50分
- 半身浴20分
ですが、昨今のダイエットの常識では1200kcal摂取カロリーを長期間続けると、
- 代謝が下がる
- 耐糖能が下がる
など、私の行ったダイエットはある側面では問題があるということが分かりました。
一定の条件下では問題のないダイエット
私がダイエットを始めた当初は、体重が100㎏近くありました。その頃は「糖尿病予備軍」を指摘されており、126㎎/dlの血糖値異常が糖尿病発症が疑われる数値なのに対し、私の血糖値は123㎎/dlと、糖尿病発症ギリギリの数値でした。
また、長年「脂肪肝」も指摘されており、脂肪肝を長年放置すれば、肝硬変から肝臓がんに推移していくのは有名な話でした。
ですから、私は一刻も早く痩せなければいけないと思い、また、糖尿病発症寸前ということで、女性の「糖尿病食」の摂取カロリーである「1200kcal」を採択し、その摂取カロリーの中で、タンパク質や野菜を十分に摂取し、ダイエットを行いました。
その結果、10か月で30㎏の減量に成功しました。そして、血糖値は正常値の範囲内に収まり、脂肪肝も消えました。その時点ではダイエットは成功だと言えました。
ダイエット成功の裏で起きていた代謝の低下

2020年から2022年まで10㎏体重を減らしては、10㎏リバウンドし、といったことを繰り返し、ダイエットメニューを改変したり、どうやったらダイエットを継続できるか自分の体で実験している段階でした。
そして2022年8月から、上記の食事、運動のルールを決め、継続したところ着実に痩せることができました。
2022年の8月1日から2023年の6月まではスルスルと体重が落ち、アッという間に30㎏体重が減り、当初の目標だった糖尿病予備軍と脂肪肝の治癒は達成されました。ですが、2023年6月から半年をかけても5㎏しか体重が減らなくなってしまいました。つまり、停滞期が来ていたのです。
ダイエットを始めて10か月目で停滞期が来ていたことに私は気づいていなかったのです。
停滞期が来たら、摂取カロリーを上げて運動量を増やし、「減量」つまり、体重を落とすことを目的とした行動をやめる必要がありました。
そして、摂取カロリーと運動量を上げて、代謝を下げない行動をとるべきでした。
ですが、私は停滞期が来ていることに気づかず、「もっと頑張らなきゃ」と1200kcal生活を続けました。しかし、それが間違いでした。
実は、長期間の低カロリー(1200kcal)生活は、体にとって大きなストレスになります。体は「飢餓状態」と判断し、代謝を落としてエネルギー消費を抑えるようになります。この状態を「代謝適応」と呼びます。
代謝が落ちると、同じ食事・運動量でも体重が減らなくなるばかりか、体が脂肪を溜め込みやすくなるという悪循環に陥ります。つまり、努力しても痩せにくい体になるのです。
無理な食事制限が過食を誘発
筋肉が減ると基礎代謝も下がります。代謝が下がると体温が下がり、冷えやすくなり、疲れやすくなります。そして、ホルモンバランスも乱れ、強い食欲が襲ってくるのです。
「お腹は空いていないのに食べたい」
「甘いものを我慢できない」
そんな“衝動的な過食”が始まりました。これは単なる意志の弱さではなく、長期の低カロリー生活が引き起こした生理的な防御反応でした。体が「エネルギーを取り戻さなきゃ」と必死に訴えていたのです。そして、結果として最小値62㎏だった体重が78㎏までりリバウンドしてしまいました。増えた重量だけを計算すると16㎏のリバウンドということになります。
停滞期の正しい対処を知らなかった
本来、停滞期が来たら摂取カロリーを少し上げて代謝を回復させる必要があります。運動量を増やし、「減量」ではなく「体を作る」段階に切り替える時期なのです。
けれど私は、体重が減らないことに焦り、1200kcalを続け、毎日増えたり減ったりする体重に一喜一憂していました。結果、体はエネルギー不足となり、筋肉がどんどん減っていきました。
「痩せたのに太っている」サルコペニア肥満
糖尿病発症寸前だった頃は「糖尿病食」で、早急に体重を減らす必要がありました。ですが、ある程度体重が落ちて血糖値が落ち着いた段階で、代謝や耐糖能を下げないために、摂取カロリーや糖質の摂取量を上げて、運動量を増やし、筋肉をつける必要がありました。
ですが、私は無知でした。「体重を減らすこと」しか頭になく、自分がサルコペニア肥満になっていることにさえ気づいていませんでした。
私は100㎏の肥満体から、62㎏の肥満体に変わっただけで、根本的に「肥満」であることには変わらない体のままだったのです。
血糖値は正常値になり、脂肪肝もなくなり喜んでいた私ですが、食生活や運動習慣をきちんと管理できないと、例え体重が45㎏になってもサルコペニア肥満であることには変わりません。
体重は減っても、筋肉が減りすぎると体脂肪率が高くなり、見た目は引き締まりません。これが「サルコペニア肥満」です。体脂肪は依然として多く、筋力は落ち、体は疲れやすくなってしまいます。
体重計の数字に一喜一憂していた私は、「健康的に痩せる」という本来の目的を見失っていたのです。
低カロリーダイエットが向いている時期・向いていない時期
もちろん、短期間で血糖値を改善する必要がある場合、医師の管理下で行う1200kcalの糖尿病食には意味があります。
私のように糖尿病発症寸前だった人にとっては、1200kcal程度の超低カロリーなカロリー制限は一時的には有効です。しかし、ある程度体重が落ち、血糖値や肝機能が改善した段階では、「減らす」から「保つ・作る」フェーズへ移行することが必要です。摂取カロリーを少しずつ増やし、筋肉を維持・増加させるためにタンパク質や炭水化物を適量取り入れる。それが、代謝を下げない唯一の方法でした。
ダイエットは「一生続けられる習慣」を作ること
ダイエットは短距離走ではなく、一生続くマラソンです。「早く痩せたい」と思う気持ちは誰にでもありますが、急激なカロリー制限は、体だけでなく心にも大きな負担を与えます。
- 適正カロリーを維持する
- タンパク質を確保する
- 十分な睡眠をとる
- 定期的に運動を続ける
この当たり前のことを淡々と続ける方が、結果的にリバウンドしにくく、健康的に痩せられるのです。
痩せることより、「燃える体」を作ること
私は10か月で30kg痩せました。けれど、摂取カロリーを低く抑えすぎた代償として、
代謝低下・筋肉減少・過食衝動という壁にぶつかりました。
もしあなたが今、同じように低カロリー生活を続けているなら、ぜひ一度「体の声」を聞いてみてください。
数字を追うだけのダイエットではなく、「健康で動ける体を作る」ダイエットにシフトすること。それこそが、私が30kg痩せてようやく気づいた、本当の“成功”です。
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