- 隠れ肥満(サルコペニア肥満)とは
- 隠れ肥満の体重は何キロから?
- 隠れ肥満かどうか確かめる方法
- 隠れ肥満はなぜ体に悪いの?
- 隠れ肥満の原因は?
- 隠れ肥満を改善するにはどうしたらいいの?
- 隠れ肥満の見た目は?
- まとめ
隠れ肥満(サルコペニア肥満)とは
隠れ肥満は、サルコペニア肥満とも呼ばれています。サルコは「筋肉」、ペニアは「減少」という意味で、筋肉量が減って体の脂肪の割合が増えている肥満のことです。
例えば、身長160㎝で体重50㎏であったとしても、体脂肪率の割合が高く、筋肉量の割合が少なければ「隠れ肥満」と言えます。
体格指数と呼ばれる「BMI」は、身長と体重を計算式に当てはめてザックリと肥満度の指針としたものに過ぎないので、たとえ「BMI」が正常値でも、筋肉や骨に比べて内臓脂肪が多い状態ですと、「隠れ肥満」つまり、不健康な体ということになります。
隠れ肥満の体重は何キロから?
「隠れ肥満」の恐ろしいところは、見た目には肥満体型ではなく、標準体型かそれよりも細かったりするため、自分自身も周囲も気づかないということです。「隠れ肥満」かどうか確かめるためには体重の計測ではなく、体脂肪率検査、骨格筋量検査が必要となります。ですから、体重と身長しか測らない健康診断などでは発覚しにくいという恐ろしさがあります。たとえ、体重が軽くても体脂肪率検査をした際に筋肉が少なく脂肪が多い場合は「隠れ肥満」であると診断されます。
隠れ肥満かどうか確かめる方法
一般的に、健康だとされる体脂肪率の目安は、男性は10〜19%、女性は20〜29%です。 体脂肪率を計測した際に、体脂肪率がそれ以上ですと、どんなに痩せていても肥満ということになります。つまり、女性で体重が45㎏でも、体脂肪率が30%を超えていたら「隠れ肥満」だということになります。
隠れ肥満はなぜ体に悪いの?
痩せているのに、体脂肪率が多く、筋肉量の少ない「隠れ肥満」。実際に筋肉が減り、体脂肪率が増えることで、体にはどのような悪影響があるのでしょうか。以下に列挙していきたいと思います。
ホルモンが生み出されない
骨格筋(※運動をして増やせる筋肉のこと)が生み出すホルモンの役割としては、以下のものがあります。
- 筋肉や骨の形成や再生
- 抗炎症作用
- 糖質や脂質の代謝への関与
- 心筋細胞や血管内皮細胞の保護
筋肉量が減ると、こうしたさまざまな働きをしてくれているホルモンが生み出される量が減ります。そのため糖尿病や脂肪肝の発症リスクが増えたり、がんや心臓の血管・脳血管の病気のリスクが高まる傾向にあります。
代謝が下がる
人間の体温は36〜37度で保たれるようになっていますが、体の熱生産の約6割を筋肉が占めています。筋肉量が多いと基礎代謝(一日中寝ていても体が消費するエネルギー)が増えるため、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防になります。
ですが、反対に筋肉が少ないと隠れ肥満のリスクが高まり、上記のような病気の温床となってしまいます。
免疫力が下がる
筋肉は免疫力とも深い関係があります。リンパ球などの免疫細胞はグルタミンというアミノ酸によって活性化しますが、これは筋肉の中に多く蓄えられています。そのため、筋肉量が減ることで、免疫機能が低下すると言われています。
認知力の低下
「隠れ肥満」は、生活習慣病の発症により記憶力が低下する場合はあるとも言われています。また、上記の通り、各種病気のリスクの増大にも関与していると言われています。
また「隠れ肥満」に限らず、肥満全体に言えることですが、立つこと歩くことが辛いと感じたり、歩く時、運動する時などのバランス感覚が悪くなり、転びやすくなったり、手先の器用さがなくなるなどといった症状が生じる場合があります。たとえ「隠れ肥満」であっても、行動することが億劫になり、肥満の度合いが増していき、さらに行動することが億劫になるという悪循環に入ってしまいやすいのも特徴です。
隠れ肥満の原因は?
隠れ肥満になる原因の多くは「バランスの悪い食生活」と「運動不足」です。
バランスの悪い食生活
隠れ肥満は若い女性に多く、過度な食事制限などの無理なダイエットが原因となる場合があると言われています。無理なダイエットでよくあるのが、「炭水化物を取らない」というものです。
糖質には、その質量の3倍の量の水分を保持する性質があります。ですから、炭水化物を取らないと、一時的には体内の水分が減り体重は減ります。ですから、一時的には体内の水分量減り、体重が落ちますが、実際に落ちたのは水分であり、脂肪ではありません。体重が減少したとしても、実際には減ったのは水分と筋肉なので、基礎代謝が減ってしまい、むしろ脂肪を溜めこみやす体になってしまいます。
隠れ肥満はダイエットで減量が成功したように見えていても、体脂肪率を調べてみると非常に高い数値になります。
若い女性の場合には、体型維持、間違ったダイエットのために栄養不足の状態になり、「隠れ肥満」になりやすいのですが、高齢者の場合は、食が細くなることで同様のことが起きます。食事を少量しか食べない状態が続き、筋肉の材料であるタンパク質やタンパク質を作るために必要なミネラルなどが不足して、筋肉が形成されなくなってしまうのです。
運動不足
人間が狩猟民族でマンモスを狩っていたころのなごりか、人間は運動をするようにできています。運動をせず、かつ極端なカロリー制限をしていると、筋肉量が減って基礎代謝が落ちてしまいます。過度なカロリー制限、筋肉の減少は基礎代謝が下がり、脂肪を燃焼する力も低下し、前述のように脂肪が蓄積する体質になりやすいという悪循環に陥ります。
隠れ肥満を改善するにはどうしたらいいの?
食事療法
「隠れ肥満」を治す方法としては「バランスの取れた食事」と「適度な筋力トレーニング」を続けることです。体重を増やさないようにしようとする方に多いのが、「炭水化物を取らない」、「食事の代わりにお菓子を食べて、カロリーの収支を合わせる」といったものです。こうした食習慣は体にとってバランスがいいとは言えません。
隠れ肥満にならないためには、一回の食事の中で、以下のものを摂取するように心がけましょう。
- 主食となるごはん、パン、麺類などの糖質
- 魚、卵、大豆などのタンパク質を多く含むおかず
- 緑黄色野菜、キノコ類、海藻などの副菜
運動療法
「隠れ肥満」には。深層筋(インナーマッスル)を鍛えることが有用ですので、筋肉に軽く負荷をかけるトレーニングを積極的に取り入れることをおすすめします。筋トレの初期は、ジムに通ったり道具を買ったりする必要はなく、階段をゆっくり降りたり、椅子にゆっくり座ったりするなど自重トレーニングで十分です。一週間の中で10分程度の自重トレーニングを週に2回行うだけでも、継続すれば確実に筋力はついていきます。
隠れ肥満の見た目は?
「隠れ肥満」とは、見た目は細くても体脂肪率が高い状態のことです。 体重が軽くても、BMIが標準値であっても、体脂肪率が高いと隠れ肥満だということになります。 体脂肪率は、体重に対してどれだけ脂肪の割合があるかを示した数値です。
女性の場合は、BMIが標準値内(もしくはそれ以下)にも関わらず、体脂肪率が30%を超えている場合は「隠れ肥満」です。 通常の肥満は体重も重く、脂肪量も多い状態ですが、「隠れ肥満」の場合、体重が軽くても、(女性なら)体脂肪率が30%を超えている場合を指します。
まとめ
私はスリムな体形だから「肥満」とは無関係と思っている場合も多いと思います。ですが、男性の場合は体脂肪率が20%を超えている場合、女性の場合は体脂肪率が30%を超えている場合には「隠れ肥満」といって、体に大きなリスクを抱えた状態だと言えます。
体形が標準か、それ以下だからといって安心せずに、体脂肪率をなども測って、自分が「隠れ肥満」でないかどうか確認することも大切です。
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