チートデイとはダイエットの停滞期の時に使うテクニックのことを指します。チートデイはカロリー制限ダイエットをしている人に有効な方法です。
ここで、ホメオスタシスの復習をしてみましょう。
ホメオスタシスとは
ホメオスタシス(homeostasis)とは、生体が変化を拒み、一定の状態を維持しようとする働きのことです。「恒常性」とも呼ばれます。
人間はお風呂に入ったら体温が高くなりますが、体温が高くなると人間の体は汗をかいて、気化熱で体温を元にもどそうとします。この、元通りにもどろうとする性質がホメオスタシスです。
カロリー不足が続くと停滞期が来る
人間の体が消費するカロリーより摂取カロリーが下回ることを「アンダーカロリー」と呼びます。そのアンダーカロリーの状態を続けると消費カロリーと摂取カロリーの差分で、いらないものが体から出ていき、体重が減っていきます。
実はこの「アンダーカロリー」つまりはカロリー不足の状態が続くとダイエットが停滞期に入ってしまうのです。
どうしてカロリー不足だと停滞期が来るの?
例えば2000kcal摂取していても太らなかった人が、ダイエットのために1500kcalに摂取カロリーを抑えたとします。すると-500kcalの積み重ねで体重が減っていくことになります。
ですが、ある程度の期間が過ぎると、体の中では摂取カロリーと消費カロリーの均衡を保とうとホメオスタシスが働いてしまいます。消費カロリーというのは摂取カロリーに対して、常に1対1を保とうと上手くバランスを調整するようにできています。
簡単に言うと今までは2000kcal必要だった体が、ホメオスタシスの働きで1500kcalしか必要としない節約モードの体になってしまうのです。そうなると、いくら摂取カロリーを1500kcalに落としても、消費カロリーも1500kcalに下がってしまったわけですから、体重は減らず停滞期が訪れてしまうわけです。
ダイエットの1~2週間目は痩せたけど、痩せ続けることはなく、必ず停滞期がきますよね。それは上記のようにホメオスタシスの働きが基礎代謝を下げているからなのです。
また、カロリーが入ってこない体は生命の危機を感じて、なるべく脂肪を蓄積しようとしてしまいます。
カロリー制限ダイエットを続けるとレプチン分泌量が減る
ずっと、カロリー制限ダイエットをしていると、レプチンというホルモンの分泌が下がります。レプチンというのは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、レプチンの分泌によって基礎代謝が上がったり、体脂肪を燃焼させようとする効果があります。
ですが、カロリー制限ダイエットを長く続けていくと、脂肪細胞からのレプチンの分泌量が下がって、それによって基礎代謝も下がります。そして、体脂肪を燃焼させるのではなく、むしろ蓄積させるように働き始めます。
そこでチートデイ
チートデイとは、英語でCheat(騙す)Day(日)と書きます。チートデイは停滞期に1日だけドカ食いをすることで「体にたくさん栄養が入ってきますから、レプチンの分泌をまた上げましょうね」と体をだます行為のことです。
このドカ食いをすることで、レプチンの分泌が上がって、基礎代謝が上がって脂肪を燃焼させようとします。
このチートデイを一日だけやって、また次の日からカロリー制限を始めると、レプチンの分泌量が上がっているので、また脂肪も燃焼し始め、基礎代謝も上がり、ダイエットが進んでいくのです。
チートデイは、好きなものを食べることで精神的な欲求を解放し、ストレスを軽減する効果もあるので、より、ダイエットにとって有効なテクニックなのです。
チートデイのやり方
実際には、チートデイのやり方には「これが正解だ」というやり方はありません。その人の体質、ダイエット方法、食べ物の好みなどによってやり方が変わってくるからです。ここでは、一般的に言われているチートデイのやり方を書いてみたいと思います。
チートデイは停滞期にやる
体重が順調に減っている時期にはチートデイをやる必要はありません。チートデイとは停滞期を打破するためのテクニックなので、ダイエットが停滞していない人には必要ではありません。
では停滞期とはどれくらい体重が減らない時のことをいうかというと、2週間程度カロリー制限をしても全く体重が減らなくなった時のことを言います。
ですから数日から1週間程度、体重に変化がなかったからといって、チートデイをする必要はないのです。
精神的な意味合いでのチートデイ
ただ、停滞期でなくても、好きなものを食べられないストレスを解放するためにチートデイをやると手法もあるようです。これは体の機能的な意味合いで行うチートデイとは違い、好きなものを我慢しすぎて、食欲が爆発しないように精神の欲求の解放のために行うチートデイです。
好きなものを我慢しすぎて、突発的にドカ食いし、自己嫌悪になりダイエット自体をやめてしまうという失敗を避けるためのチートデイと言ってよいでしょう。この場合、2週間に1度などとチートデイのサイクルを決めておく人が多いようです。2週間に1日は好きなものが食べられるから、普段のダイエット食に耐えられるというメンタルに持って行くのが目的です。
糖質の摂取量を上げる
チートデイは糖質の摂取量を上げるのが一般的ですが、その方法には諸説あります。
- 摂取カロリーは変えずに糖質比率を70~80%に上げる
- 体重1kg当たり9gの糖質を摂取する
など、いろいろなやり方があります。
ちなみに、体重1kg当たり9gの糖質というのはすごい量になります。体重にもよりますが、ご飯で計算してみるとお茶碗10~15杯のご飯を食べなければいけない量の糖質です。
ダイエット指導者によって考え方は違いますが、脂質は極力抑えて糖質を多めにとるのが効果的とされています。具体的に言えば、米やフルーツ、和菓子をたくさん食べるのが推奨されています。
ですが、好きな物を食べられなくてストレスが溜まっている人にとっては、精神的な欲求を解放するということも重要です。ですから、好きなものをたくさん食べていいという考えのダイエット指導者もいます。
爆発的にカロリーを上げる
- 自分の体重×40~45kcalを目安に好きなものを摂取する
- 減量中に摂取していたカロリーの2倍以上を摂取する
- 徐脂肪量×55kcalを摂取する
チートデイのやり方の一つとして、普段の食事より少し多く食べたくらいではダメで、爆発的にカロリーを増やさないとダメだという説もあります。具体的にどのくらいのカロリーを摂取すればよいのかも諸説あって、上記のように様々な説があります。
チートデイは1日だけでやめる
一度、糖質をたくさん食べてしまうと、タガが外れて、また翌日もたくさん食べてしまうかもしれません。ですが、それではまた、元の太る食生活に戻ってしまいます。
チートデイは必ず、1日で終えましょう。
翌日以降は元のカロリー制限に戻す
チートデイはあくまでレプチンの分泌量を増やすために行う停滞期打破のテクニックなので、かならず1日で終えて、次の日からは元通りのカロリー制限にもどしましょう。
まとめ
カロリー制限ダイエットには有効なチートデイですが、糖質制限ダイエットや脂質制限ダイエットをしている人には、さほど有効ではないと言われています。チートデイについては諸説あるので、自分に合ったチートデイのやり方を見つけることをおすすめします。
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