
- 体重は35キロ減ったけれど…
- 過食と制限を繰り返した半年間
- 原因は「痩せたい」という執着だった
- 「100か0思考」との戦い
- 本来、必要なエネルギーは2000kcalだった
- 太っていると不健康・痩せていると健康は間違い
- 日本人の目指すべき健康な体組成
- 痩せたいではなく健康になりたい
~ダイエット、制限、そして回復への気づき~
体重は35キロ減ったけれど…

ここ数年、私は体重を落とすことに全力を注いできました。糖尿病予備軍と診断されたことをきっかけに、厳格な食事制限に取り組み、1200kcalの食生活を続けた結果、体重は大幅に減りました。けれども、痩せたことで得られた安心感の裏で、私は新たな問題。それは、過食衝動と自己否定に悩まされるようになったのです。
本記事では、私がどのようにして過食と向き合い、そこから見えてきた「健康な体と心の本質」について、体験を通じてお伝えさせていただきます。
過食と制限を繰り返した半年間
私はこの3年間、「1200kcalしか食べてはいけない」という強い意識のもと、日々の食事を管理してきました。その目的は、「糖尿病予備軍」「脂肪肝」から脱するためであり、健康を取り戻すためでした。当初は順調に体重も血糖値も改善し、「これで私は健康になれる」と信じていました。
けれども最近は、一日の摂取カロリーが1200kcalを超えてしまった瞬間、私はまるで糸が切れたように暴食してしまうのです。
例えば、「明日の朝に食べる予定だったプロテインバーを、寝る前に1本食べてしまう」という些細なきっかけから、「もういいや、全部食べてしまえ」と思考が切り替わり、
コンビニへ行って10〜15個の過食食材を買い込み、気がつけば胃が破裂しそうになるまで食べてしまっていました。
それだけでは足りず、家にあるご飯に納豆や卵をかけて食べたり、食パンを1斤食べたり。冷蔵庫にあるものを漁り、最終的にはマヨネーズを吸ったり、ジャムをなめたりと、自分でも止められない衝動に支配されていました。
原因は「痩せたい」という執着だった
こうした過食の原因について、さまざまな情報をインターネットで調べる中で、私は気づかされました。それは、「過食はダイエットが原因であることが多い」ということ。摂食障害専門の医師のyoutubeを見ていると、摂食障害の主原因は「過度な運動」か「過度な食事制限」とのことでした。私もまさにその状態でした。
糖尿病予備軍だった頃は、健康のために食事制限が必要でした。けれども、数値が改善し、医師から「正常値に戻っていますよ」と言われた後も、私はなお1200kcalという制限に固執し続けてしまったのです。
「太るのが怖い」「元に戻ってしまうのでは」という不安が強すぎて、制限=安心、食べる=恐怖という思い込みに支配されていたのです。
「100か0思考」との戦い
過食のきっかけの多くは、些細なものでした。1200kcalの1日の食事を終えた後、たった1本のプロテインバーを予定外に食べただけで、
「もうダメだ、今日は失敗した。もう何をやっても意味がない。食事制限は明日から。」
といった極端な「100・0思考」に陥ってしまい、過食に走っていました。少しでも1200kcalからオーバーしたら、「もう、どうでもいいや…(食べてしまえ…)」「1200kcalじゃないと意味がない。」という、私の思い込みは、「明日こそ1200kcalでおさめる!⇒できなくて過食」のループになってしまいっていました。そして、結果として、毎日の過食を誘発させてしまっていたのです。
本来、必要なエネルギーは2000kcalだった
私は、身長161cm・年齢50代という自分の体に必要なエネルギー量を、あらためて厚生労働省の基準で確認しました。すると、活動量が中程度であれば、2000kcal前後が標準であることがわかりました。
糖尿病予備軍を脱した後は、むしろしっかりと食べて、運動と筋肉の維持を通じて健康な体を作っていく必要があったのです。それなのに私は、1200kcalという本来必要なエネルギーの60%しか摂らない状態を続け、代謝を落とし、筋肉も失い、心も弱らせてしまったのです。
太っていると不健康・痩せていると健康は間違い
現代の栄養学では、「痩せている=健康」とは言い切れないことが明らかになっています。
特にBMIが18以下でも、筋肉量が少なく体脂肪が多い人は「隠れ肥満(サルコペニア)」とされ、健康リスクが高まるとされています。実際、近年は痩せ型の糖尿病患者、やせ型の脂肪肝患者が増えているそうです。つまり、見た目が細いことと、体の中が健康であることは、まったく別物なのです。
逆に私は、一番痩せている時でもBMI24台で、少しぽっちゃりな方ですが、それが健康に寄与している部分もります。私の場合は、自らの体重が圧となって骨を強くしているらしく、骨密度が同世代同性と比較すると170%の強度、つまり、50代女性の2倍近く骨が丈夫な状態なのです。
ですから、必ずしも「ふくよか=不健康」「痩せ=健康」というわけではないのです。
日本人の目指すべき健康な体組成
日本人医師が推奨する、日本人の健康な体組成の目安は以下の通りです。
- BMI:22
- 骨格筋率:30%以上
- 体脂肪率:女性で20~29%、男性で10~19%
この基準は、多すぎても少なすぎても不健康であることを示しています。体重だけでなく、「体組成」に目を向けることが、これからの時代の健康の基準になっていくと私は思います。
痩せたいではなく健康になりたい
私は今、ようやく「本当に大切なこと」が見えてきました。
それは「痩せたい」ではなく、「心も体も整えたい」という思いです。
- 栄養をしっかり摂って
- 運動で筋肉をつけて
- 無理な制限ではなく
- 代謝を高める食べ方をする。
そうやって、太りにくく、疲れにくく、過食に支配されない「健やかな自分」を目指していきたいと思っています。
もし今、過食や制限で苦しんでいる方がいらっしゃれば、ぜひ伝えたいです。あなたの苦しみは、「意志の弱さ」ではありません。それは、あなたの心と体が「助けて」と叫んでいるサインです。どうか、自分を責めないでください。
そして、体重計の数字だけに価値を見出さず、あなた自身の「心と体の健康」に目を向けてあげてください。
私もまだ道の途中ですが、これからは「食べること」に罪悪感ではなく、感謝と安心を感じられるようになりたい。そう思いながら、一歩一歩、歩んでいきます。
◆私が使っている体組成計です。アプリに登録すれば、スマホと連動して全データをスマホで記録しグラフを作ってくれます。
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